紅葉が見頃なシーズンになって、そろそろモミジ狩りにでも行ってみようか、そんな気持ちになっている方もいることでしょう。
とはいえ、全国には数多くの紅葉スポットがあるため、どこへ行くのがよいのか迷っている方もいるはずです。
その点、古くから紅葉といえば、まずお寺。
歴史と由緒あるお寺ほど、境内に立派な庭園を構えており、そこには様々な草花や広葉樹が植栽されているものです。
その広葉樹が落葉の準備を始める秋口になると、一斉に赤や黄色といった美しく鮮やかに色付きます。
ここでは全国で紅葉が綺麗なお寺を幾つか紹介します。
東北を代表する世界遺産の寺院、毛越寺
岩手県の平泉にある毛越寺は平安時代の初期に開山され、その後奥州藤原氏によって再興された、歴史と由緒ある寺院です。
最盛期には堂塔が40以上、僧坊も500を超え、事実上奥州を代表する壮大な寺院として栄華を誇りました。
現在では「大泉が池」を囲むように広大な「浄土庭園」が広がり、同時に平安時代の伽藍遺構もほぼ完全な状態で残ります。
また平安建築の本堂には本尊は薬師如来が安置されている他、本堂からすぐ近くには松尾芭蕉の句碑や、毛越寺の歴史を深く知ることのできる宝物館など、見どころが満載です。
なお毛越寺の境内は国の特別史跡になっている上、庭園は特別名勝に指定されています。
さらに2011年にはユネスコの世界遺産にも登録されています。
ここでは秋になると、大泉が池が赤く染まったように見えるほど、浄土庭園では美しい紅葉を目にすることができます。
同じ時期には常行堂で、国の重要無形民俗文化財に指定されている「延年の舞」が演じられ、美しい紅葉に囲まれながら見学することも可能です。
東京都内の閑静な住宅地にある有名な寺院、九品仏浄真寺
東京都の世田谷区にある九品仏浄真寺は、江戸時代初期に高僧だった珂碩上人によって開山された、浄土宗の寺院です。
元々この地は深沢城の跡地でしたが、四代将軍徳川家綱によって土地を与えられ、開山へと至りました。
「九品仏」の通称でも親しまれている寺院の名称は、九体の阿弥陀仏像が安置されていることに由来します。
約3万6千坪にも及ぶ広大な境内には、総門や仁王門をはじめ龍護殿や三仏堂、開山堂や観音堂、さらに鐘楼や閻魔堂などいわゆる七堂伽藍を備え、寺域全体が極楽浄土を再現した由緒ある寺院で知られます。
その境内には樹齢700年以上のカヤの大木や、樹齢300年を超えるイチョウをはじめとした、数多くの古木が目立ちます。
それらの樹々が秋を迎えると、一斉に赤や黄色に色付き始め、やがて美しい紅葉へと姿を変えます。
特に11月下旬から12月上旬にかけて紅葉が見頃となり、毎年大勢の観光客や参拝客で賑わいます。
情報参考:東京都でお葬式の施設を探す-葬儀のデスク
古都鎌倉でも有数の紅葉スポット、長谷寺
鎌倉といえば京都と並んで、数多くの歴史的な寺院が集まる古都として知られます。
そのうち1つである長谷寺も、奈良時代に創建されたと言われる、歴史ある浄土宗の寺院です。
奈良の長谷寺を開いた高僧を藤原房前が招いて、鎌倉の長谷寺も開山されたと伝わります。
境内の観音堂には本尊の十一面観音立像を安置する他、その右に位置する阿弥陀堂にも、鎌倉六阿弥陀の1つに数えられる阿弥陀如来坐像を安置します。
なお本尊の観音立像は約9メートルにも及び、国内の木造仏像の中でも有数の大きさを誇ります。
さらに観音堂の左には大黒堂があり、ここには鎌倉江ノ島七福神の1つ、大黒天像を祀っています。
このように貴重な歴史的遺産の充実する長谷寺ですが、境内には自然が豊富な点も見逃せません。
銀杏やイロハカエデをはじめとする多種多様な広葉樹が数多く植栽されており、紅葉のシーズンには境内一帯が赤や黄色に染まります。
ちなみに銀杏は11月中旬、イロハカエデは11月下旬が見頃です。
情報参考:京都府でお葬式の施設を探す-葬儀のデスク
数多くの寺院が集まる京都でも紅葉といえばここ
京都には大小様々な寺院が集まっていますが、その中でも清水寺といえば全国的にも有名な寺院の1つ。
平安時代に坂上田村麻呂が朝廷から寺地を賜ったことで公認の寺院となった、誰もが認める由緒ある歴史的な寺院です。
境内には国宝の本堂を構え、ここには本尊の千手観音立像が安置されています。
また奥の院にも秘仏である木造千手観音坐像を、本尊として安置します。
この他には室町時代に建立された仁王門をはじめ、鐘楼や三重塔あるいは経堂や開山堂など、重要文化財クラスの建造物が充実します。
なお清水寺は1994年にユネスコの世界遺産に登録されています。
境内には歴史的な建造物も豊富な一方で、緑豊かな自然にも恵まれています。
春の桜や新緑のシーズンなど、年間を通じて四季折々の自然を楽しめるのが、この清水寺の魅力でもあります。
もちろん紅葉のシーズンになれば、樹々が色とりどりの鮮やかな色彩に染まり、大勢の観光客の目を楽しませます。
ここまで紹介してきたように、全国には紅葉スポットにふさわしい数々の寺院があります。
歴史が長く規模も大きい有名な寺院ほど、立派な庭園を備えている傾向があるので、必然的に草花や樹々も豊富と言えます。
そのため秋が深まる頃には、境内が美しく鮮やかな紅葉スポットに生まれ変わります。
もし手頃な紅葉スポットを探しているなら、まずは歴史のある有名な寺院から探してみるとよいでしょう。
きっと自分のニーズにピッタリな紅葉スポットが見つかるはずです。