日本は、今でこそ全国的に葬儀のやり方やしきたりなどが似てきていますが、戦前やそれ以前は非常に様々なしきたりがありました。その理由は、テレビなども少なく全国で統一された形のものが存在しなかったからです。各地方で、それぞれの文化があり山を越えるとまた違う文化があるといった感じでした。では、山形県にはどのような葬儀のしきたりがあるでしょうか。また、葬儀の流れを同時に見ていきます。これを知ることで、山形県で葬儀をする場合でも安心して行うことができます。
山形県は、東北地方の日本海側に位置し、東京から概ね北に300km、山形新幹線で約3時間の距離にあり、一般には、全国生産量の7割を占める「さくらんぼ」と鮮やかな四季で知られています。
全国第9位の93万haの県土面積は、その地勢や江戸時代の幕藩体制のなごりから、方言や食べ物など、文化も少しずつ異なり、南から、置賜(おきたま)、村山(むらやま)、最上(もがみ)、庄内(しょうない)の4つの地域に大きく区分されています。
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山形県内でも地域によって異なる
山形県の葬儀のしきたりや腐臭に関しては、地域によって随分と異なります。基本的に、江戸時代位から葬儀のしきたりができており、山を越えるとまた別のしきたりがあったと言われています。それだけ1つの村の文化が外に出ていく事は少なかったことを意味しているわけです。例えば、県庁所在地の山形市では、通夜を行うときには友引以外に行うとされています。仏滅でも問題ないと言うことです。逆に、大安吉日でも特に問題は無いため日取りを考える人にとっては非常に助かります。
村上市などでは、近所の人が葬儀に行く時支払うお金が決まっています。額は、3000円と決まっており現在でもこの流れがあるところも少なくありません。村上市でも田舎のほうになるとそのようなしきたりが残っていますが、市の中心部などは他の地域から入ってきた人も多いためこのような考え方はかなり減少してきていると言えるでしょう。気になる場合には、近所の人に聞いてみると良いです。
香典返しが葬儀費用などはどうか
葬儀をする立場からすれば、葬儀費用がどれくらいか気になるところです。葬儀費用に関しては、絶対に決まっているわけではありませんが最近は1,300,000円位となっています。昔は、葬儀会社などを利用せずその地域の町内会の有志や親戚一同等が葬儀の準備や仕切りを行っていたため、それほどお金はかかりませんでした。それこそ、葬式を上げる会場を借りる位です。
明治時代や江戸時代の頃などは会場を借りず自宅で行っていたため、棺桶を準備する費用とお花の費用ぐらいしかかからなかったわけです。ただ昔は現代よりも、檀家制度のしきたりが残っているところも多かったため、必ずと言っていいほどお坊さんを呼びました。お坊さんに払う費用等は概ね決まっていたとされています。この費用は、時代によって異なるため戦前なのか最後なのかで随分と違いが出るところです。
香典返しは、即返しと呼ばれるしきたりが存在しています。これは葬儀の当日にすぐ香典返しを行うものです。
細かな部分などを理解しておこう
葬儀を主催する側は、地域のしきたりや風習に則り行うわけですが、この時細かい部分なども可能な限り理解しておきましょう。何十年も前と異なり、そこまで形式ばって行う必要は無いものの、知識として頭に入れておいた方が良いこともあります。
山形県では、告げ人と呼ばれる人が存在しています。これは、村のだれかが亡くなった場合菩提寺や地域の人に知らせる役割の者です。当番制のようなものではなかったものの、大抵その家の近所の者が選ばれることになります。このときは、男性が行うことになっておりしかも2人1組で知らせに行くのが基本です。ただ現在は、電話が普及していたためわざわざ近所の家のドアをノックして伝えるような事はなくなっています。スマートフォンがある現代においては、一斉メールで済ませることも可能です。
歌を歌うところも存在しており例えば仏様の歌と呼ばれるものを歌っていたところがありました。念仏講などと呼ばれるものがこれに該当しており、田舎の地域の方では現在でも行われている光景です。
現在の葬儀の流れはどうなっているか
山形県内の昔の風習やしきたりから考えられる葬儀の流れなどを見ていきましたが、現代ではどのようになっているでしょうか。現代でも風習やしきたりが残っているところもあるため、その地域のやり方に合わせるのが良いです。
しかし、最近のほとんどの地域ではそのようなしきたりが引き継がれているケースが少ないため、よほど高齢者の人でない限り特に強いしきたりに縛られる必要はなくなっています。一般的には、人が亡くなった場合には親戚ぐらいまでは呼ぶこととなっています。
ただ昔のように、近所の人まで呼ぶのかと言われれば意見が分かれるところでしょう。若い人ほど、近所の1つだ呼ばない傾向にあります。つまり、自分の家族と親戚を数人集めて大阪厳かに行うのが一般的な流れです。
最近は、山形県内でもお坊さんを呼ばないケースが増えてきています。お坊さんを呼ばない理由は、昔ほどお寺とのつながりがなくなっているからです。特に若い世代はお寺とのつながりがないことが多いため、お坊さんを呼ばずに葬儀を行うことが多いです。
まとめ
山形県内で葬儀をする場合でも、昔のしきたりが残っている部分もあります。例えば、なくなった場合の香典返しや葬儀費用等は地域によって随分と異なりました。また、告げ人と呼ばれる人が存在しており、町内すべての人に人が亡くなったことを伝える役割があったわけです。ただ現在は、そのようなしきたりが少なくなってきており、葬儀会社などに依頼するケースが増えてきています。しかも、小規模の葬儀が多くなってきており家族や親戚だけで執り行うケースが多いです。